プラネタリウムやドームシアターで3Dモデルを映し出すための3Dビュアー「Hoshizuna: Model Viewer for Dome」の使い方を解説します。基本的な使い方は本体のヘルプ画面にも記載していますが、ここではスクリーンショットを示しながら、より具体的な操作手順や設定方法について記載します。なお、開発と並行して執筆しているため、バージョンの異なるスクリーンショットが混在していたり、未公開の機能が掲載されうることをご了承ください。
記事更新時のバージョン:1.66
プラネタリウムのようなドーム空間に3Dモデルを映し出してリアルタイムに動かすと言うと、特殊なコンピュータやソフトウェアが必要に感じるかもしれません。しかし今では、ウェブブラウザの入ったノートPCさえあれば誰でも簡単に行うことができます。HoshizunaはHTMLファイルひとつで作成されたアプリケーションです。3DモデルをSketchfabなどから用意して、Hoshizunaにアクセスすれば全天の没入空間が始まります。
Hoshizunaは誰でも簡単に操作できることを目指して開発されていますが、機能拡張に伴い、本体のヘルプに操作手順のすべてを記載しきれなくなりました。そこで、スクリーンショットを加えたより丁寧な取説を作ることにしました。この取説は本体の画面構成や機能に対応した構成にしてあります。最初から順番に目を通してもいいですし、目次から機能を探して必要なところだけ参照していただいても結構です。また、まだ開発途上なので、このページは今後より充実した内容にするつもりです。
Hoshizuna: Model Viewer for Dome
最初の画面には、上部に機能を選択するボタン群があります。アクセスしてページが読み込まれると、「環境編集ボタン」が赤く選択された状態となり、環境編集画面が右上に表示されます。グレーの背景部分が3Dモデルが表示される領域です。通常、この状態からモデルを追加するか、環境編集を行います。
アクセスしたばかりの最初の画面。
最初に表示される画面を「コントロール画面」と呼びます。「ドームビュー」ボタンを押すと子ウィンドウとして「ドームビュー画面」が表示されます。画面構成はこの2画面です。ドームビューはドームマスター形式(等距離射影)になっているので、そのままプラネタリウムやドームシアターに映し出すことができます。
左の①は最初に表示されるコントロール画面。右の②はドームビュー画面。
動作環境
WebGL対応のデスクトップ版ウェブブラウザで動作します。AndroidやiPhoneのブラウザではドームビューが新しいタブとして開くため、外部に映像出力しながら操作することができません。
解像度を上げたり、複雑なモデルを扱う場合は高負荷となるので、ブラウザのGPU アクセラレーションを有効にしておくことをお勧めします。基本的な動作は次のブラウザで確認しています:Windows版Chrome、Edge、Firefox、Opera、Chromebook版Chrome、Mac版Safari。
ブラウザ各種で実行可。
プラネタリウムやドームシアターに映し出すには、ドーム側の映像システムで外部映像入力ができる必要があります。HDMIケーブルなどで接続し、ドームビュー画面をドームマスター形式として入力してください。
モデルの追加は画面上部の青色のボタンから行います。対応しているファイル形式は、汎用的な3DファイルであるSTLと一部のOBJが読み込めます。また、2DオブジェクトとしてSVGを読み込むこともできます。
画面上部のボタン群。モデル読み込みは左の青いボタンから。
読み込む際に、元ファイルの座標を使うか、重心を原点に置くかを選択します。モデルの座標は後から移動できるので、読み込めばいいだけなら「原点に移動させて追加」を選ぶといいでしょう。事前に位置関係が決まっている複数のファイルを読み込む際は「座標通りに追加」を選択します。
ファイルロード時の原点選択。
表示される場所が重なると、大きなモデルに小さなモデルが隠れて見えないことがあります。後述のモデル編集画面からモデルの座標やサイズ、透明度を編集すると見えなかったモデルを確認することができます。
複数のモデルを配置することが可能。
ファイルを読み込むとすべてのモデルが画面の範囲内に表示されますが、モデルの大きさに対して極端に離れた場所に配置されると、画面上のモデルが小さく見えずらいことがあります。バランスよく配置させるには、後述のモデル編集画面からモデルの座標やサイズを調整してみましょう。